J-ジャズ : イノセンス オリジナル・サウンドトラック

イノセンス オリジナル・サウンドトラック

¥ 2,740

  1. DUNGEON
  2. 傀儡謡-怨恨みて散る(くぐつうた うらみてちる)
  3. TYPE 2052{HADALI}
  4. River of Crystals(伊藤君子)
  5. ATTACK THE WAKABAYASHI
  6. 煉獄(エトロフ)
  7. 傀儡謡-新世に神集いて(くぐつうた あらよにかみつどいて)
  8. THE DOLL HOUSE I
  9. THE DOLL HOUSE II
  10. 傀儡謡-陽炎は黄泉に待たむと(くぐつうた かげろうはよみにまたむと)
  11. 遠神恵為(とおかみえみため)
  12. FOLLOW ME(伊藤君子)

   押井守監督の劇場用長編アニメ『イノセンス』(2004年公開)のサウンドトラック盤。1995年に公開された『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の直接的な続編であり、音楽も引き続き川井憲次が担当している。    圧巻はやはり、映画でオープニングを飾る「傀儡謡-怨恨みて散る」(M-02)だろう。幾重にも重なる民謡歌手の歌声と和太鼓の音がえもいわれぬ音世界を紡ぎ出す。そのコンセプト自体は前作を踏襲しているが、なんと今作では実際に80人近い民謡歌手を一同に集めて録音され、より重厚で奥行きのあるサウンドを実現した。そのほかにもさまざまなこだわりを重ねて作られた楽曲群は、映画本編同様にディティールの隅々まで楽しませてくれる。(安川正吾)

「散華」 - やられた。和太鼓にやられた。心臓をえぐりとられるような恍惚、身体をそぎ落とされるような快感。「トランス」が心拍と同テンポで興奮状態を起こさせる西洋産興奮装置ならば、直接手で心臓をもがれるような興奮を起こさせる和太鼓の音こそ日本育ちの興奮装置だ。「和太鼓」「謡」という古来の素材、民謡歌手という音の発し手。 これに音の紡ぎ手である川井氏が古代音楽を美事に現代音楽として産出させた。楽曲の最後になるにつれ、主旋律が上昇をたどることで、和太鼓による拍のとりかたに性急さを感じさせる。 和太鼓に興奮させられていた聴衆は主旋律の上昇音と一体化し、和太鼓の音の一拍ののち、、、「散る」のだ。

イヤホンのエージングにも効く - 2007年11月4日にパシフィコ横浜で行われた川井氏のコンサートで、「謡」を生で聴くことが出来ました。「あ、やっぱりサントラ買っておこう」と思い、今さら購入。映画は、当時音響設備国内最高クラスの劇場と最大スクリーンの品川アイマックスシアターの二ヶ所で見ており、「イノセンスの情景」「イノセンス」のDVDは発売と同時に購入していたのですが、音に没頭するなら、やはりこのサントラでしたね。この世じゃないどこかに、投げ出されます。ポータブルCDプレーヤーのイヤホンで、音量2/10で聴いていますが、脳が揺さぶられ、和太鼓やパーカッションのパリパリと張った音に、背中が反応してしまいます。08年2月に川井氏の、ベスト盤三枚組が発売されるので、イノセンスのほとんどの曲は選出されそうですが、47分の濃縮された極上の音世界は、このサントラで体験してください。コンサートは、オーケストラ仕立てで大迫力でしたが(謡は15人ほどの方が謡っていた)会場が広すぎたのと、舞台に近い席だったので、バランスが悪い感じでした。斜め前ブロックには押井監督がご満悦で鑑賞されていました。

初めて聴くときに - BSで放送されたのを観てすぐ買って、夜、余計な生活の音を排除して聞きました。CDウォークマンでボリュームちょっと大きめで、サラウンドをかけて聞きました。謡シリーズに鳥肌たちまくりでした。ほとんどこれは恐怖体験です。和太鼓の音に恐怖を感じるなんて初めてです。リズムのノッてくるほどに、自分の体からゴーストが外にたたき出されてしまうような気がしてくるほどでした。(でもそれが快感でもあったが。)和太鼓の音は、低音を強くしないでボリュームで聞きやすいところを調節した方がいいです。つまりドンドンよりバンバンに聞こえるのがベストだと思います。個人的に、犬のオルゴール曲が入ってて欲しかったので星4つ。

殻の中にいた幽霊は現れたのか? - これは「殻の中にいる幽霊」の続編ともいえる映画のサントラ・スコアである。従って、前作にあった「揺」のサウンド・イメージをより熟成させたヴァージョンといっていいかもしれない。無論ジャズ・シンガーである伊藤君子嬢によるチャーミングで妖艶なジャズ・バラッド2曲や、恐ろしく巨大なオルゴールによる曲も含まれてヴァラエティに富んだ内容になっている。川井氏による丁寧ではあるが、とぼけた風情のライナーもいつも通り添付。これを読んで、この音楽を聴くと、益々混沌としてくるから不思議である。この「ゆるさ」は一体何なのだろうか。つい、頬がゆるむ。そしてアルバム。やはり注目すべきは「揺」の3ヴァージョンである。10分近くあるクライマックスのトラックなどの迫力をライヴで是非とも堪能したい。全ての楽器と声が、8分近くで昇華するサビメロの所で爆発する。昇天。また間に存在する「エトロフ」などのトラックの不穏な感覚も際立つ。前作でもそうであったが一際耳を捉える「揺」シリーズよりも、実はこういう短尺物で淡々としているトラックの内包している音の情報量が凄まじい。使用される不思議な楽器の類もさることながら、巨大な洞窟の中で録音された、と記述のある残響感が豊富なサラウンド音は高級なオーディオ・セットがあればより一層の感動を得られるかもしれない。遠くに感じる音の位相は設定自体が極めて特殊であり、まさに音の万華鏡のよう。前作よりおよそ10年後に製作された映画とともに、こういったエスニックな風情の音楽は現在最早それほど珍しくなくなったが、それでもこの作風は唯一無比であり驚愕に値する作品であることは間違いない。そしてこれが映画サントラ・スコア作品である、という事実にまたしても驚愕してしまうのである。つまりCDショップのアヴァンガルド・コーナーの、それも音響彫刻作品と並べておいても全く違和感がない。いや、むしろ他のどんな作品より「音響彫刻」しているかもしれない。

まさに古代の謡い - これはサントラですけど、侮ってはいけません。これほどまで映画とピッタリな曲はないですね。魂が揺さぶられるとはこの事を言うんですかね?未来の話なのに歌の雰囲気はまさにいにしえ。過去と未来がドッキングしたようなそんな、感じです。




イノセンス オリジナル・サウンドトラック